【方法】DM日本短角種ウ シの胸最長筋から酵素消化法により筋芽細胞を無菌的に単離し、限界希釈法によ り筋芽細胞のクローニングを行い、増殖培地(100ng/ml HGF+10%FBS/Medium区) で継代し、細胞株の樹立を行った。次に、これらの細胞株を増殖培地、分化培地 (2.5%FBS/Medium区)、Myostatin 添加培地(1μg/ml Myostatin+2.5%FBS/Medium) で3日間培養した。その後、培養細胞株からmRNAを抽出し、RT-PCR法によりミ オシン重鎖(MyHC)亜型の発現を解析した。さらに、得られた細胞株のMyHCの発 現を免疫組織化学的手法により解析した。
【結果】DM日本短角種ウシの骨格筋か ら4株の細胞株(Myoblasts derived from Double-Muscled Cattle: DCMB1、2,3, 4)を樹立することに成功した。RT-PCR法によるMyHC亜型の発現解析の結果、全 ての細胞株で MyHC Embyonicの発現が認められた。また、MyHC FastとMyHC Slow の発現は細胞株によって異なった。MyHC亜型の発現は分化培地区で増加し、 Myostatin添加培地区で減少する傾向がみられた。さらに、抗MyHCモノクローナ ル抗体を用いた免疫組織化学的手法により、DCMBにおいて、MyHC Fast、MyHC Slow、 MyHC Embryonicの発現が確認された。