【方法】ヒト BLM遺伝子断片にハイグロマイシン耐性(Hyg r)遺伝子、またはヒス チジノール耐性(His r)遺伝子を組込み、ネガティブ選択としてジフテリア毒素A 遺伝子を付加した2種類のターゲティングベクターを作製した。このベクターを 細胞へ導入し、24時間後にそれぞれの選択薬剤を含むアガロース培地に植え込み、 2-3週間培養しコロニーを形成させた。生じた薬剤耐性クローンを分離してゲノ ムを調製し、サザンブロットとPCR法により BLM遺伝子座がターゲットされたク ローンを選別した。
【結果】野生型Nalm-6株にHyg rベクターを導入し、生じた薬剤耐性クローン168 個をサザン解析したところ、14クローン(8.3%)が BLM遺伝子の1コピーがターゲ ットされたヘテロ変異株であった。次に、ヘテロ変異株にHis rベクターを導入し、 生じた薬剤耐性コロニー274個についてPCRとサザン解析を行ったところ、 BLM 遺伝子が2コピーともターゲットされたホモ変異株を5クローン(1.8%)取得でき た。また、他の遺伝子座についても同様の結果が得られた。以上より、Nalm-6株 はターゲティング効率の高い細胞株であると考えられる。さらに、取得した BLM ホモ変異株の性状についても報告する。