【勝田班月報:6204】
《勝田報告》
A)発癌実験
前月号に引きつづいて、ラッテ肝←DABの組合せだけで発癌実験を何seriesも出発させている。当室の実験No.ではこれらは“carcinogenesis"の分類に入るので、以下に示す実験No.は4ニトロキノリンのときからの続きNo.と考えて下さい。但し括弧の中にDABでのNo.を入れておきます。それからこれは一つの提唱ですが、お互いにdataを互いに理解しやすくするため、実験日のよび方を[培養開始の日を第0日]とし、以后[第何日]という風に記載する。たとえばはじめの4日間DABを与えたのだとすると(図を呈示)、第0日の午前0時に実験開始する訳ではないから、頂度[4日后]という数え方と同じ数で第何日と考えて良い訳です。以后の細胞の観察も復元日などの記載もすべてこれにつづいての第何日で通したいと思います。さて、それでは当室の仕事の報告に入ると、
#C5(DAB-2)(1962-1-11=0日)
前号に報告した通り9日ratの肝を用いたSeriesで、実験群に6/6本cell
coloniesの新生したときのものであるが、その后新生細胞の増殖率が次第に落ちたので仲々必要量の細胞が手に入らず、結局前報のAのlineだけが残り、これを第63日(1962-3-15)に、一部を(約100万個)、48日♂ratに腹腔内接種した。このratは4月9日現在で接種后25日になるが生存して居り、腹腔内の細胞も宿主側の細胞に囲まれて次第に消えてしまったように思われる。但しどこかにfocusを作っているか否かは不明。接種した残りの細胞は同日短試にsubcultureし、継代第5代に入ったが、わずかながら現在まで増殖をつづけている。
#C6(DAB-3)(1962-2-4=0日)
9日rat肝を用いてはじめたseriesで、前号月報に記したように、第2日目からmigrationがはじまり、実験群、対照群とも第5日6日頃から急速に細胞増殖のおこった系である。第39日に(3月15日)100万個を同腹♂rat(このとき生后48日)の腹腔に接種し、4月9日現在で25日目になるが上と同様にratは生存している。第39日にやはり残りを短試に継代し、3代目に入った。これも実験群、対照群ともわずかながら増殖をつづけている。
#C7(DAB-4)(1962-2-23=0日)
1.5月ratの肝部分切除を行ない、ratは生かしたまま肝切除片を培養に入れた。この系では第12日(3-7)に実験群3/7本に各1ケ宛の増殖colonyを発見。第26日(3-21)には実験群は7/7本、対照群は1/7に何れも各1ケの増殖colonyあり。第45日(4-9)では、実験群の各colonyは少し宛大きくなっているが、まだsubcultureできるほどにはなっていない。細胞の形態は#C5、#C6のときと似て実質細胞様である。
#C8(DAB-5)(1962-3-14=0日)
これも1月ratの肝部部分切除で肝組織片をとったが、それこそ“肝腎"のratの方が術后しばらくして創口にペニシリンをたらしたところペニシリンショックらしく急死してしまった。培養はそのまま続けているが、実験、対照各8本宛とも第22日(4-9)に至るも全く増殖がみられぬので、培養を中止した。
#C9(DAB-6)(1962-3-20=0日)
1.5月ratの肝部分切除。第20日(4-9)現在で実験、対照群各10本宛共に未だ増殖なし。
#C10(DAB-7)
1.5月rat肝部分切除。第13日(4-9)、実験群、対照群各7本宛未だ増殖なし。
実験は以上のようにつづけているが、Operationするにはどうしても1月以上のratでないと難しいので、今后は生后20日位のratのliverもやってみて、これは同腹の仔に復元するようにしたいと思っている。当室ではこの発癌実験に重点をおいているので、現在のところでは次に記すサルの腎の株細胞の栄養要求の他はほとんど仕事をすすめていない。
B)サル腎株細胞の栄養要求
Cynomolgus(カニクイザル)腎を細胞株を1株樹立し、MK-D1と仮称、先般Poliovirusに対する感受性をしらべたところ、I型強弱両系に対し陽性(但し初代培養より少し劣る)。この5月の培養学会に出題の予定。この細胞を無蛋白培地でふやそうとするが仲々ふえず、血清蛋白を抜くと1日の内に細胞質がやせてしまう。そこで全血清をトリプシンで消化して透析し、その外液をPVP培地に加えたところ4日后はやせずに中等度の増殖をするが、以后7日にかけて、またストンと増殖曲線が落ちてしまう。何とかせめて7日間はもたせたいので、今度は血清蛋白の電気透析した外液を加えてみたいと思っている。蛋白を丸ごと利用する訳でもあるまいし、また培地にLhも入っているのだから、恐らくアミノ酸以外の(若しアミノ酸とすればunknownの)、蛋白に結合している何物かを必須としているらしい。これまでの細胞に比べてとにかく余り面白いので、その方の興味からもこの仕事をつづけている。また同時に、この株には染色体数42本位のと、60〜80本のとあるので42本(normalと近頃されている)位のをColonial
cloneで純系を作りたいと努力している。
《高木報告》
今回は本年2月以降に行ったin vitroの発癌実験の経過を主として報告します。
1)発癌実験
培養法:廻転培養法(roller drumは医学部中央検査室のものを借用)plasma
clotは用いず。培 地:80%LT+20%牛血清、PC.SM.は原則として用いない。培地交換は4日毎に行う。
発癌剤:DABは1μg/ml、stirboestrolも1μg/mlの最終濃度になる様に稀釋する。
稀釋の仕方は既報の通り。
(1)第1回目の実験は2月24日にスタートした(Wistar
King ratの肝←DAB)。2疋の生后
48日目のrat(1、2とする)の肝を培養してみた。始めは肝を切出したhostのratを生存させる積りであったが、残念ながら2疋共術後1〜2日で死亡した。切出した肝切片に一寸PC.SM.液をたらし、すぐにこれを除いて、直ちにメスで細切し培養した。
対照群(K1とK2)各6本ずつ、DAB作用群(D1、D2)各6本ずつで、全部で24本培養した。DABの作用時間は4日間で、2月28日以後はDABを含まない培地で培養した。8日後の3月4日には、ほんの少し細胞の生えかかっているものがあり、その生えかかっているroller
tubeの数は、K1、3/6(6本中3本)、D1、5/6、K2、0/6、D2、1/6であった。そして少なくともこの時には、DABを作用さしている群に生えている細胞がepithelioidの感が強かった様に思われた。
3月10日(14日目)にはK1、6/6、D1、6/6、K2、3/6、D2、5/6に生えており、生えている細胞はsheetを造らず、fibroblasticの感が強くなった。
以後少しずつ増殖を示し、3月30日現在D2に1本生えていない丈で、殆どのroller
tubeに多少の差はあれ(図を呈示)間質細胞?を主体とするものが増殖している。そして対照群と作用群との間に何等かの有意の差は認められない。
なお、K2、D2群がK1、D1群より細胞の発育が悪いのは、K2、D2群は肝を切出す際に一寸不潔になった心配があったので、3月23日の培地交換まで、培地中にPC.SM.を入れたためかも知れない。
また別にタンザク用に静置培養したものでは、この様な細胞の生え方はきわめて悪い。 (2)第2回目の実験は3月9日にスタートした(golden
hamster←stirboestrol)。
培養組織は生后24日目のgolden hamsterの肝と腎とである。培養方法は上と大体同じであるが、腎の培養にあたっては被膜を可及的取除いた。腎は対照群、作用群各7本ずつ、肝は各5本ずつで、計24本培養した。
a)腎:3月14日培養5日目にstirboestrolを含まない培地で交換したが、この時すでに
apithelioid cellsが増殖しているものがあり、fibroblastはわずかにまざってみられた。3月17日再び1μg/mlのstirboestrolを作用せしめ21日に再び元の培地に戻した。つまり計9日間作用させたことになる。以后は残念ながらfibroblastが優勢になり、3月30日には殆どがfibroblastと思われ、epithelioid
cellは完全におきかわった様である。生え方は良好であるが対照群、作用群間に有意の差は認められない。
b)肝:薬剤の作用させ方は腎の場合と全く同様である。始の間、肝の場合には腎とことなり細胞の増殖は殆どみられなかったが、3月24日つまり培養15日目に至り、作用群の2本にepithelioid
cellsが、対照群の2本にfibroblast-like cellsがわずかに増殖している様であった(migrationと区別つきにくい程度)。しかしそれから1週間後の3月31日には対照群では2/5にわずかにfibroblast-like
cellsが生えているのに対し(この中1本はmigration)かも知れない)作用群では4/5に明らかなepithelioid
cellsの増殖がみられた。これら細胞は“眼をギョロギョロ"させた様に薄く(生えて)ついている肝細胞の周辺から同心円状に増殖しているものが主で、1本は島状に増殖しているものもあるが、対照群とは現在の処明らかな差がみられている。なお作用群の生えていない1本はcontamiと思われる。
(3)第3回目の実験は3月27日に培養を開始した。(Wistar-King
rat←DAB)前回(第一回目)の実験では用いたratがやや大きすぎた感があるので、今度は生後11日目のものを用いた。対照、作用群共各10本ずつ培養し、3月31日に培地を交換したが、本実験ではDAB
1μg/mlを8日間作用さす予定である。今までの処まだ細胞の増殖は両群共全く認められない。慎重に観察の予定である。
2)移植実験
3月2日にFL、JTC-4、HeLaS3株細胞を大体200万個levelでgolden
hamsterのcheek pouchに移植してみた。hamsterは100g程度のものが揃わず、60g〜150gのものを合せて5疋用いた。cortisone
acetateは2〜3mgを移植直後と以後2日おきに2回行った。
1ケ月後の4月2日、FLは2/4に小指頭大の腫瘤、JTC-4は1/2に1.5x2mm大の腫瘤、HeLaS3は2/4に米粒大の腫瘤が認められた。但し、分母は移植されたcheek
pouchの数、分子は腫瘍を生じたcheek pouchの数を示す。
この実験は予備的なもので、兎に角この細胞数で腫瘤が出来ることが分った。接種するhamsterの大きさ、細胞の培養日数など考慮しなければならない。なお3月31日、Chang'livercellを400〜500万個100gのhamster3疋の両cheek
pouchに移植し、検討中である。
この移植実験が軌道に乗り、techniqueになれて来たら、上の発癌実験の細胞を移植する予定である。
☆《Praimary Cultureとメス:勝田》
発癌実験を総員(おそらく?)ではじめてから、あちこちでどうも生えが良くないとか、色色の苦情をきかされる。この主な原因は私はメスの使い方に在る、と思う。株細胞ばかり使っているとメスなんかまるで用がないが、一たびprimary
cultureの世界に踏み出すと、そこはもうメスなしでは殆んど歩けないような荒野である。key
pointsは二つで、1)よく切れるようにとぐこと。2)メスの切り方。組織片を鋏で切ると、鋏の構造をみれば判るが、組織片を刃でひねってちぎるわけである。しかも刃がかなり厚い。良くといだメスで刃を2本ぴったり合わせて切れば、殆んど障害を与えずに、“切る"ことができる。実際に色々な組織片のprimary
cultureをやってみて、これが最も重要なfactorになっていることが判る。伝研のtraining
courseでは、最初のcourseでまずこの辺の練習を充分にさせ、しかも最后のcourseでもう一回仕上げをやる。自信のない人は、どうですか、chick
embryo heartでも切って培養してみませんか。explantの全面から均等に細胞が放射状に出るかどうか。ちぎり潰した面からは出ませんから、自分の腕のテストにはもってこいですよ。
《伊藤報告》
久留先生は3月25日離阪されました。
後任教授も決まらない今、吾々としては何となく気が抜けた様で、いささか落着かない毎日です。
又癌研内での吾々第二外科医局員の立場も仲々複雑で、従来の様に我儘も云えなくなりさうですが(資金の面でも)、何と云っても此の培養室は吾々で始めたものですし、やりたい事はどんどんやる積りです。
◇最近のDataですがJrypsin処理したS2分劃をIRC-50
Resin Columnを通し、素通りした分劃の効果の検して居るところまで報告したと思いますが、この分劃のactivityが人肝癌のものと、AH-130のもので、少しく異る様で、此の点現在尚検討中であります。このあたりで、正常肝との差もはっきりしさうな気がします。5月の会合の時には何かはっきりしたものをお報らせ出来ると考えて居ます。
◇次に発癌実験の追試ですが、生后8日目、13日目の2種類のラッテを用いて行い、現在夫々21日目、13日目になりますが、どうも細胞が生きて居る様子に乏しく、培養technicに未熟な点があるものと考えます。今后材料のあり次第実験を行ってみます。
◇当方で予定して居る発癌実験は今CO2-incubatorを作らせて居るところですので、それが到着次第開始し度いと考えて居ます。
《堀川報告》
放射線医学綜合研究所の名称でこの月報に報告するのも今回が最後で、次回からは京都大学からお送りして皆さんとお目にかかりましょう。
問題1.耐性獲得のメカニズムと変異性の遺伝生化学的研究について、その後得た結果は今回は省略します。
問題2.DABの追試実験。DABが発癌に最も有望だという勝田研の仕事を直ちに追試しております。用いた試薬及び血清濃度も総て勝田研のそれに習いました。用いた試薬はマウスのCBA系のAdult♂の肝臓です。全く同様の方法でメスで細切した組織片をtubeに塗りつけ回転培養しております。Controlは80%YLH+20%BS。Experimentは80%YLH+20%BSに
final conc.が1μgDAB/mlになる様に加える。
ところが前回まで行って来た静置培養の様にControl区もExpt区も細胞の増殖がみられないのです。確かにControl区に比較してExpt区のものの方が培地が酸性化するのが早い様で、これは確かにExpt区の方がCellの活性度の高いことを示している訳です。勝田研のものと異っている点といえばマウスへの復元を早くするため細胞を大量に集めたいという希望から、50ml用の短試に組織片を大量に塗りつけて回転培養してDABの効果をみた訳ですが、どうも第一回目の実験は有望な結果は得られませんでした。回数が少いだけに文句は今のところ言えませんが、直ちに次いで静置培養と回転培養を併用して考えられる原因を考慮しながら追試します。考えねばならぬ最大の問題はどうして回転培養の方が静置培養よりControlでも細胞の増え方がわるいのか、確かに回転培養の方が組織のはげが少い利点はあるが、私の経験では少々はげても細胞の増殖からみると静置培養の方がよいようだ。とにかく直ちに繰り返します。
問題3.これは新らしく手がけた仕事です。体細胞でのTransformationについては2、3の報告はありますが、実際に情報伝達のにない手であるA細胞のDNAを主体とする核酸成分を抽出して全く遺伝的Characterの異ったB細胞に与える事により完全にA細胞に変える事は困難で、従来私自身大いに困らされて来ました。
思いついたのがCellのpinocytosisの原理で、正常細胞(現在は実験の系を確立するためマウスのL系細胞使用、これは抗体産生能力の無い事からむしろ実験に適する、将来は
primary cultureのcellを使用する)と癌細胞(岡大・佐藤二郎助教授より分譲されたものでマウスのEhrlich癌細胞)という染色体数をはじめあらゆる諸形質からみても明確に遺伝的特異性を異にしたものを用います。
目的は正常細胞の細胞質内へ癌細胞から取り出した核を喰い込まし、この正常細胞の細胞質をかりてとり入れた核の分裂を起し、癌細胞を作りたいのです。癌化して来たかどうかはマウスへの復元テスト以外染色体数などいくらでも決め手はあります。これがうまく行く様になれば喰い込ませる核を分劃して低次のものとして次第にそのメカニズムをつかみます。貪喰実験は比較的有望な結果が出ております。L細胞はEhrlichの核を喰い込みますが、その逆は不可能です(これは好都合)。又同じL細胞でも私の所の耐性細胞の種類によっては喰い込む耐性と喰い込めないものがあります。この辺りの現象は非常に興味があります。生きた核を完全に喰い込んだか否かのtestはP32でlabelした核でAutoradiographyを取ったためにみごと失敗しました。直ちにH3-thymidineに切りかえて結果を待っています。 問題は喰い込んだ核が本当に分裂するか否かを決めることで土井田君と四苦八苦やっておりますが、例えばEhrlichの核を喰い込んだL細胞ではコロニーの作り方などがEhrlichのそれに非常に似てくるなど、或る程度期待はもてそうです。
あの手この手をかえて分裂させてみます。しばらくお待ち下さい。
《佐藤報告》
組織培養による正常及び腫瘍細胞の細胞病理学的研究
1)組織培養されたエールリッヒ腹水癌JTC-11を用いてCb系マウスを皮下免疫した后、20日放置して腹腔から本来の動物株を1000万、200万、40万接種すると著明な生命の延長が見られる(表を呈示)。JTC-11接種群で生存中のものは現在60日に達している。
順序が逆になったがJTC-11で免疫し20日置いて腹腔内へJTC-11細胞を200万宛移植すると、対照は17日3例、20日1例で6〜7mlの腹水腫瘍を生じて前例死亡したが、免疫群4例は前例腹水の発生を見ず生存した。生存例は后に更にJTC-11で免疫しOriginalの動物株エールリッヒ癌細胞に対する抗腫瘍性をためして後、動物株エールリッヒを1000万皮下移植したが腫瘍の発生は認められなかった。
同様の免疫をCb系マウスでL株で行い20日放置后JTC-11を200万細胞腹腔接種すると対照は13日2例、19、21、23、24日各1例宛、腹水を生じて前例死亡した。免疫群は18日1例死亡したのみで、2月末現在60日間異常は見られない。
現在、牛血清、Cb系マウス肝、L株、HeLa株、JTC-11死細胞等々について抗腫瘍性の判定を研究員野田が担当して行っている。
2)無蛋白培地でのJTC-11の増殖株
昨年7月来行って来たが、漸く60日培養に成功し増殖率の問題や動物への移植性が試験される段階になった。勝田さんのL・P1に当る細胞です。アミノ酸消費については栄養短大で実験中ですが、ロイシンの消費が著明との事です。PVP+LYE亜株を作るには矢張り細胞を多くして行う法が有利の様ですし、勝田さんの云われる様に交互に血清を入れて行う方法、或はPVP+LYEで多量の細胞でMCだけ続け、極めて少くなった所で1%血清を入れ増殖せしめた後PVP+LYEのみでMCだけ続け増加した所で半分だけラバクリナーでおとし継代すると、継代も成功するし更にとった後の部にも比較的早くPVP+LYEadapt細胞が増加して来ることがわかりました。
3)ラッテ奬膜細胞?の培養について
生后9日目のラッテの腹腔へ0.25%PBSTrypsinを注入して後、開腹して同様のPBSTrypsin液で腹腔を洗って細胞を集め50%牛血清+YLEで培養すると極めて早い時期から増殖率のよい細胞が得られた。
現在3ケ月に達し増殖率は13000細胞/ml〜92000細胞/mlで6日間、48.9倍〜8倍である。細胞はsheet様にならぶこともあるし、梁柱状にならぶ事もあり、更にノイリノーム様に唐草模様の構造を示す事もある。継代后日数を経過するとSudan に黄色に染る美麗な顆粒が現われる。単球の様なノイトラルロゼッテは見られないが核側に明庭を表す事がある。
4)吉田肉腫は血清量を少くして継代することが現在の所未だ成功していない。之は主として現在の培地で電子顕微鏡をとっています。
5)C3H乳癌についてはprimary cultureは確実に行きますが株は仲々作れません。原因がどうもTrypsin処理にある様ですので、濃度、pH、時間等について一人かかっています。
6)DAB実験
3月中に6回行いました。生后1.5〜2ケ月の呑竜ラッテをエーテル麻酔して肝を切りとり、夫を材料として行い、ラッテは生存させて復元の材料としました。現在夫々観察中ですが、全般的に増殖が悪く勝田さんの様な結果が出なくて困っています。但、今迄行った実験の内で明らかに肝細胞の増殖と思われる物が出ている事。小生の実験でメス細切の方法のまづかった事。ガラス壁附着の方法が清掃或は放置時間において欠陥のあった事。等々がかさなって美麗な結果が出なかったと思います。観察は続けますが、悪いものは省いて良いものだけ復元用にとっておいて、更に元気を出して4月中に方がつく様に本実験にかかります。結節が出来た塊は外から見ると周囲がみづみづしく見えて来る事を附加しておき、詳しい事は次の月報にします。
編集後記