【勝田班月報・7204】
《勝田・永井報告》
肝癌AH-7974を4日間培養した培地を正常肝細胞の培養に添加すると肝細胞が阻害され或いは殺されてしまうところから、その毒性物質の本態を永年追かけてきたが、未だにまだはっきりしたところは判らない。しかし、これまでの経過をここで一応中間報告しておくことにする。
1)Dowex 50(H+)
いろいろのresinも試みたが、現在では培地をまずDiafilterで限外濾過し、その濾液をSephadex
G25で分劃し、そのなかの有効分劃(B)をさらにDowex
50(H+)で分劃している。その結果図のようなelution
curveが得られた(図を呈示)。これはnon-stepwiseのelutionである。これを図のように 〜 に分けて阻害活性をしらべると、 -2と に活性が認められた。 -1には活性はなかったが、これを含めて分劃のアミノ酸組成をしらべた結果が次の通りである。
2) -1、 -2分劃のアミノ酸組成
Amberlite RC-2(日本電子の特製)の自働分析器で分けた結果を図で示す。図の上はスタンダードのアミノ酸mixtureである。 -1には沢山peakが出ているが、Arg、Tyrは認められない。 -2は大きなpeakが一つ、これはアンモニアに相当するが、アンモニアが培地内にそんなに存在する筈がないので、同じ処に出る可能性のあるものとして、アミン系、とくにエタノールアミンが疑わしい。その他には小さなpeakがいくつかあるが、要するにニンヒドリン陽性物質が一般に減少しているといえる。最左端のLysのpeakが、きわめて小さいことを記憶しておいて頂きたい。
3)高圧濾紙電気泳動
-2を高圧で泳動させると図のようになった(図を呈示)。泳動后、左から2番目のように濾紙を切り、夫々をeluteして調べたが、どれにも阻害活性が認められなかった。そこでB2、B5を再び泳動させてみると、図の右の2本のようにB2ではSerに相当し、B5ではLysに相当した処にbandが現れた。Lysは第2図のように少量しか含まれていないので、B5のninhydrin-positive
bandはLys以外の別の物質を示しているかも知れない。また阻害活性のなかったのは、培養に使う前に、凍結乾燥したのでアミンが飛んでしまった為とも考えられる。
4)炭末吸着
Nucleotides類は炭末に吸着するので、 -2分劃を活性炭(武田)に吸着させた後、2%にアンモニアを含むエタノール50%でeluteし、吸着したものとしないものとに分けて阻害活性をしらべたのが、第4図で(図を呈示)、非吸着の方が少し阻害活性が強い。しかしこの実験では手順を誤って省いたところがあるので、吸着分劃に非吸着性物質が混在している可能性がある。
だがそのUV吸光度(第5図)から見ても、核酸の疑いはきわめて薄い(図ではむしろ280nmのところに肩がある。)といえるであろう。
それではpeptidesであるかどうかを次にしらべた。
5) -2分劃の加水分解
-2を18時間酸水解し、これの阻害活性をしらべた結果(図を呈示)、明らかに阻害活性を示している。従って阻害因子はpeptidesではなく、アミノ酸レベルの大きさの物質であろうと推定される。なお、この分劃の添加により培地のpH7.4から7.2位にまで下がったが、これでは障害を起すとは思われないので、HClのための阻害とは考えられない。
以上、今日までに得られたデータから綜合すると、毒性代謝物質の本態は、1)低分子物質で透析も限外濾過もできる。2)耐熱性で100℃40分ではこわれない(しかし -2については未調査)。3)糖、脂質、核酸系物質は含まない。ニンヒドリン陽性であるが、ペプタイドではないらしい。
《梅田報告》
(1)月報7201の堀川さんの報告でsucrose
gradient上にlysis液をのせ、その上に細胞をのせてから種々の時間lysisさせたのち超遠心にかけると、lysisする時間が長ければ長いほど、1本鎖DNAは低分子化されるきれいなデータが示されていた。
我々は回復実験の時など、一時に細胞を処理して時間がきたものからsucrose
gradient上に細胞をのせておいて、最后のものの時間がきてから超遠心にかけると非常に便利と思っていたので、堀川さんのデータを追試してみた。我々の条件は、0.3N
NaOH、0.7M NaCl、0.001M EDTA、0,01M Trisで、堀川さんの記載は0.1M
NaOH、0.9M NaCl、0.01M EDTAとあった。又lysis液は我々は2N
NaOHそのままを用い、堀川さんは0.5M NaOH、0.1M
EDTAとあった。我々の方法は安藤さんより教わった方法で、比較してみると我々の方がアルカリは強いがEDTA液はより低濃度を使用していることになる。
今迄のAlkaline sucroseの実験は30,000rpm
90'の超遠心を行っているが、図1に示した実験は30,000rpm
60'の遠心を行った。(図を呈示) 細胞をoverlayしてから4時間経ったもので、topの方にややカウントの増加が認められるが、大部分は低分子化していないことがわかる。図2では更に遠心条件を下げて20,000rpm
60'の超遠心を行った。2の場合、bottomと11〜12本目と山が2つ出て、どちらかがDNAのconglomerateと想像しているが、overlay後2時間経っても、その傾向は変らず、4時間経ったものは真中の山の裾がややのびているだけで、堀川さんのデータの様な著明な低分子化は起っていない。
gradientの組成の違いが問題なのであろうが、以上のデータより我々はoverlay后時間をかけても、直ちに超遠心したものも同一条件のデータとして解釈出来ると結論した。
(2)以前にAflatoxinB1の作用は回復酵素の抑制かもしれないと想定したので、その可能性を実験してみた(図を呈示)。図3の(A)は4NQO
10-6乗M1時間作用させたもので、DNAのsingle
strand breakの生じたものである。(B)は、4NQO作用后2時間回復培養を行わせたもので高分子化の進んでいることがわかる。(C)は、(B)と同じ条件でただ回復培地中にAfla-toxinB1
10μg/mlを加えた。(A)に較べ回復は進んでいるが(B)の正常培地中での回復より明らかにおくれていることがわかる。(D)はAflatoxinB1
10μg/mlを2時間作用させたもので、AflatoxinB1単独ではbreakは殆んど惹起されていない。
今後更に回復時間を長くしたもの、他の発癌剤等この種の実験を行ってみたいと計画している。
《乾報告》
現在の発癌実験の経過報告
本年度より新たに班員にして頂きました。本月報は初めての経験ですし又、当班に入れて頂きましても組織培養関係の研究として、過去の研究方法と特別に新しいProjectも早急には組めませんので、現在迄の研究の経過並びに本年度の研究計画を記述し御批判頂きたく思います。来月の月報よりは新しいDataを加えてまいります。
1)現在迄、授乳期ハムスター細胞とMNNGの系を使用し主として、染色体変異をtrans-formationの指標の1つとして、試験管内発癌機構の解析を行ない次の結果を得ました。
(1)発癌剤投与初期に出現する染色体変異は、発癌剤の種類によって、a)単純染色糸レベル切断、b)染色糸交換型切断の二つに大別された。(2)初期染色体変異は、現在の通常法による染色体観察においては、細胞の癌化と直接の関連性をもたない。即ち、再増殖集団のModeの細胞の染色体は数・構造共正常とかわらなかった。(3)染色体の数的、構造的変異は細胞の形態転換時に始めて出現し、この染色体異常細胞はその後変化することなく、その細胞が動物に移植される時期迄継続する。(4)MNNG転換細胞の染色体数は多くの例で、近或いは高2倍体であった。(5)(図を呈示)図1〜3に示した如く、MNNGで悪性転換をした細胞1例(HNG-100)を使用し、ハムスター正常肝のDNAとDNA-RNA
hybridizationを行なった結果、培養初期細胞とHNG-100細胞の間で、DNAレベル、全RNAレベルでは核酸に相異がみ認められず、Rapidly
labeled RNAのpopulaionのみに差がみとめられた。
これらMNNG transformationの系に関して、現在人間の染色体で行われているChromosomebanding
patternを解析中であり、まず癌細胞と正常細胞の染色体上のHeterochromatin分布を検索し、次いで発癌過程のchromatin分布の差の出現を、経時的に追求したいと考えている。
2)タバコタールによる発癌、ハムスター細胞にタバコ全タールを投与し細胞の悪性化に成功した。現在タール分劃、タバコの煙等を細胞に投与し、タバコ中の発癌有効成分を解析中である。
以上の実験を現在行なっているが、本年度の計画として、1)試験管内癌細胞の指標の検索、2)発癌機構の染色体を指標とした追求、3)新しい試験管内発癌の系の開発等を行ないたいと考えております。
《黒木報告》
§Balb3T3細胞によるtransformation§
NIHのDr.Aaronsonから得たBalb3T3を0.2〜2.0μg/mlのDMBAで処置し(48時間)たところ、3.5週後に、contact
inhibitionの喪失を特徴とするtransformed fociが得られた。実験条件は次の通りである。
培地:MEM plus 10%FCS(Colorad Serum Co.)。
うえこみ細胞数:5万個/dishにうえこみ、翌日DMSOに溶かしたDMBA(Eastman
Kodak Co.)を、0.2、0.5、1.0、2.0μg/ml添加、DMSOの終濃度は0.5%であった(2/24/72)。48時間後、培地交換、以後3回培地交換を行った。
現在、培養中であるので、transformation rateなどの詳細はわかっていないが、2.0μg/mlで大凡5〜10foci
160mm dishである。今後、行うべき実験として、(1)Balb/c
mouseへの移植、(2)fociの分離培養とそれらの表現形質の検討、(3)他の発癌剤特にnon
carcinogenicderivativesによる実験がある。それらののちに種々の実験が組まれるであろう。(focusの部は重なって増殖し、nontransf.の部と対照的な所見の写真を呈示)。
《堀川報告》
HeLaS3細胞をMNNGで処理することにより、S-1MおよびS-2Mと名づけるUV感受性細胞株を分離したことについては、これまでに既に報告してきたが、ここに改めて図に示すように(図を呈示)UVに対する線量−生存曲線で比較した場合、S-1M細胞やS-2M細胞はHeLaS3親株細胞よりもはるかにUVに対してsensitiveであることが分かる。一方、これら3者の間にはX線に対して有意な感受性差は示さないが、4-NQOに対してS-2M細胞はHeLaS3親株細胞よりもsensitiveであることが分かる。
このS-2M細胞は、これまでの実験からUVでinduceされたTTdimer除去機構を欠いている。つまり、TTdimerの除去修復機構の第一ステップであるendonucleaseの欠損株であることが分かっている。
今回はこのS-2M細胞およびHeLaS3親細胞を4-NQOまたは4-HAQOで処理した場合、どちらが癌化しやすいかを検討した結果について報告する。勿論、癌化といってもHeLaS3細胞はヒト由来の細胞株であり化学発癌剤で処理した後に出て来る細胞について、その癌化の程度を検討する方法もなく、多くの点で問題があるのは当然である。
この様な問題点があることを前提として以下の様な実験を試みた。つまりHeLaS3細胞およびS-2M細胞を100万個ずつTD-40培養瓶に植えこみ、24時間培養後(細胞が培養瓶に付着した時点で)、2x10-6乗M
4-NQOで1〜6日間細胞を処理するか、あるいは1x10-5乗M
4-HAQOで1〜3日間細胞を処理する。各時間処理後直ちに正常培地に変えて12日または14日後に各培養瓶に出現するコロニー数及びその中のpiled
upしていると思われるコロニー数を、それぞれ算定した(結果の表を呈示)。勿論piled
upしているという判定はあくまでも、顕微鏡的観察での判定であり、一応のindicatorという以外に特別の意味をもたない。しかし、これらの結果から分かるように4-NQOまたは4-HAQO処理の場合いずれもS-2M細胞(endonucle-ase欠損株)の方からコロニー数が多く出現する。これは前図で示した結果とは相反するもので4-NQOにsensitiveなS-2M細胞株の方から多くのコロニーが出現するということは、こうした化学発癌剤処理により、変異(発癌)を起こして出て来る細胞はS-2Mの方に多いということを示しているのかもしれない。しかし、このことについての結論は、まだまだ多くの解析をやった後出なければ、何とも言えない訳であり、あらゆる角度からの検討を現在続けている。しかし500R-preirradiateしたマウスにHeLaS3親細胞またはS-2M細胞の4-NQOで処理後出現したpiled
up colony由来細胞を100万個ずつ復元した結果はいずれも、all
negativeであることをつけ加えておく。
このように、ヒト由来細胞を用いて発癌実験で動物復元実験系の検出も、今後に残された大きな課題である。
《高木報告》
RRLC-11細胞の放出する毒性物質について:
先の実験でRRLC-11細胞培養液の限外濾過外液をSephadexG25にかけて10mlずつ分注したところ、NaClは39〜51本に証明されたので、39本目までを5つの分劃として細胞に対する毒性を調べた。その結果第 分劃において最もつよい毒性がみられた。この第 分劃をさらにSephadexG50にかけて再分劃することを計画しているが、その前に実験の再現性、この物質の安定性につき検討している。
まず再現性実験について、RRLC-11細胞培養液の限外濾過液について同一条件下に、再びSephadexG25にかけてみた。1000mlまでeluteして10mlずつうけた各試験管につき1本おきにspectrophotometerでO.D.230mμ、280mμにおける吸収を調べた(結果の図を呈示)。O.D.230mμでは吸収は20本前後と35本前後、40〜60本の間、79〜93本の間にみられたが、その程度はわずかであった。またO.D.280mμでは20本前後、30〜60本、80〜90本の間に、可成りの吸収がみられている。なお波長を220mμから320mμまで5mμ間隔で変えて吸収を調べたが、このdataは改めて報告したい。
今回はNaClは37本〜51本に証明されたので、37本目までを5つの分劃に分けたが、その際230mμで吸収のみられた17本〜25本までを1つの分劃( 分劃)とし、その前後を2つずつに分けて、それぞれ、 、 および 、 分劃とした。今回の限外濾過外液は前回に較べて毒性は弱かったが、5つの分劃の中では第 分劃に最も強い、他の分劃に比して有意と思われる細胞増殖の抑制効果がみられ、一応再現されたものと考えている。
次にこの物質の安定性について、毒性がlabileであることを先に報告したが、凍結(-20℃)の効果に関して4週間にわたり検討した。その結果、1週間後は凍結前の対照と殆んど同じ毒性を示したが、2週後には毒性は可成り低下し、しかし3週後には凍結前よりかえって強い毒性を示し、4週後はもっとも毒性は弱いと云った具合であった。この原因が毒性をテストする細胞の側にあるのか・・・同じC-5細胞を用いているが別々に継代しはじめて可成り経ている・・・、または2mlずつ分注凍結して一度とかしたものを用いた場合もあるのでその影響か、この辺りも検討しなおさねばならない。また、最近の実験ではRRLC-11培養液の限外濾過液の毒性が可成り濾過しないものに較べて低下しており、その原因が濾過だけによるものか、あるいはその間pHがアルカリ性に傾くことによるものか、pHの変化が毒性におよぼす影響についても観察中である。
培養内細胞悪性化の示標について:
現在50%硫安飽和によるserum factor free血清を用いて細胞増殖を観察中である。
《山田報告》
前報で勝田班長が報告した如く、JTC-15株細胞(ラット腹水肝癌AH-66)は現在までの過程中に可移植性を失った時期があり、最近再び可移植性が回復した株であるが、1968年に2回電気泳動法により検索した結果では、この株の電気泳動度はかなり異り、しかも箇々の細胞の泳動度のバラツキが大きく、恐らくmixed
populationによりこの株は構成されていると想像していた。
今月は、この株から最近数株のクローン(軟寒天による)が得られているので、再びこのJTC-15株細胞の電気泳動的性格を検索した。
(図を呈示)図に示すごとく、得られたクローン株(CA-4、5、6)相互にその電気泳動的性格が著しく異り、特にCA-4株はその泳動分布が比較的均一であり、しかもノイラミニダーゼ感受性がかなり大きく、CA-5は対照的に箇々の細胞の泳動値にバラツキがあり、ノイラミニダーゼ感受性が極めて少い。CA-6は上記二株の中間的性格を示した。この様なクローン間の著しい性格の違いはAH-7974(JTC-16)には見られなかったことである。
《佐藤茂秋報告》
1)マウスのglioblastomaの培養細胞は現在培養日数320日となっていて、尚、脳特異的なC型アルドラーゼを保持している。
培養液中にdibutyryl cyclicAMPを加えると細胞突起の数及び長さが増し、形態的に分化したgliaに似てくる結果を得ている。この結果はdibutyryl
cyclicAMP 1mMでも認められるが、変化が認められる迄に数日かかる。3mMの濃度では1日で変化が現われる。又、培養液からdibutyryl
cyclicAMPを除いても、一度変化した細胞の変化はもとに戻らない。今后はこの細胞をクローニングして、得られたクローンについて研究を進めて行く予定である。尚、本培養細胞のアルドラーゼについてはCancer
Researchに報告した(in press)。
2)AH7974由来の培養株JTC-16はin vitroでは 、 型ヘキソキナーゼしか持たないが、ラットに戻し移植すると、 型が 、 型に加え出現する。培養細胞をdifusion
chamberに入れてラット腹腔に挿入すると、12、24時間では 型は見られないが、48時間后には 型が出現する事を確かめた。diffusion
chamber内の細胞数は最初1,000万個であったが、この濃度では24、48時間后にはほとんど細胞数は増加していないで、むしろ死亡するものが多かった。もう少し細胞濃度を低くして増殖する条件下での実験を計画している。
《吉田報告》
がんにおける種族細胞の寿命と核型変化
がんには増殖の主体をなす種族細胞があり、その核型は常に一定であるという種族細胞説が牧野(1952、1957)によって提唱された。しかし、その後種族細胞の核型に変異の生ずる例がしばしば報告され、種族細胞の核型の一定性は否定され、それは変異と選択の連続的なeventによって常に変化すると説明された(Yosida
1966、1968)。しかし、癌細胞に連続的に変異が生ずるのになぜ一定期間種族細胞が存在するのであろうか。この矛盾を説明するために癌の種族細胞には一定の寿命があるのではないかという考えを提案したい。寿命の原因としては一定期間分裂増殖すると悪い遺伝子が蓄積するという一般生物にみられる現象と同じであると考えた。有性生殖をする生物では交雑によって遺伝子の入れかえがおこり生命が維持されるが、体細胞では交雑によるrecombinationはおこりえない。核型の変異がrecombinationに変わるcell
revivalの原因ではなかろうか。例えばA核型をもった種族細胞(A)はある期間分裂増殖するが老齢になると退化消失する。退化する前にmutant
cellsが生じそれらの間でcompetitionがおこり、B核型をもったmutant
cellが次の種族細胞となる。寿命の長さは腫瘍の種類によって異なる。例えばMYマウス肉腫は移植約100代(10年間)で変異したが、ラットの緑色腫(Shay)は2〜3年毎に変化した。マウスのプラズマ細胞腫瘍では数代毎に核型の変異がおこった。
尚、腫瘍種族細胞における核型の変異と寿命の関係についての研究の詳細は1972年3月23〜25日、ドイツDusseldorfで開かれる癌Symposiumにて発表する。ドイツ迄の旅費、滞在費は先方負担であるから、3月19日に羽田を発ち、ついでにモスクワ、スェーデン、ドイツ、フランス、英国、イタリアなどを廻り、帰えりはカイロ、カルカッタなどに立寄って、4月11日に帰国の予定。