大会長 : 片岡 健(岡山理科大学)
会 期: 平成 29年 6月 30日 (金) - 7月 1日 (土)
会 場: 会場:岡山理科大学・創立50周年記念館
このたび日本組織培養学会第90回大会を岡山理科大学 (岡山市) において、平成29年6月30日 (金)、7月1日 (土) の2日間の日程で開催する運びとなりました。会員の皆様には奮ってご発表、ご参加くださいますようお願い申し上げます。
日本組織培養学会の創設期は、動物組織から細胞を単離して培養する技術の開発が盛んでした。材料となる組織から正常な細胞を単離して有限増殖の範囲で行う培養が、今でいう「初代培養」です。私たちの体を構成している様々な組織の機能などについて研究するために、初代培養の技術は飛躍的に進歩しました。一方でがん治療法の開発などにはがん組織からクローン性に増える細胞株を樹立する必要がありました。ヒトがん組織からはじめて樹立されたHeLa細胞を皮切りに、数多くの株細胞が樹立されがん研究を推進してきました。こうした細胞培養のために考えられた様々な工夫が、iPS細胞をはじめとする幹細胞培養技術として花開きました。日本における動物細胞の培養研究をリードしてきた「日本組織培養学会」の所期の目的はかなり達成され、多くの成果を残しました。
しかし時代は新たな課題として、バラバラの細胞を材料として組織が形成されること、つまりこれまでとは逆ベクトルの技術を要求しています。再生医学をはじめとする生命科学研究では、in vivoとin vitroの実験系を自由に行き来し、細胞の単離と組織形成を思うように操る技術が今後ますます重要になってきます。本大会のテーマ「細胞を培 (つちか) う」は、組織細胞を培養することからはじまったこの日本組織培養学会が、細胞を集めて組織を形成する培養技術の研究でも存在感を示していくことを期待して決めました。特別講演やシンポジウムを通じてこの新しい流れを体感し、ディープディスカッションや一般演題で意見を十分に交換していただけるようなプログラムを組みました。また、例年開催している細胞培養指導士講習会として、医薬基盤・健康・栄養研究所の古江-楠田
美保先生のご協力で「Good Cell Culture Practice (GCCP)」をテーマとしたシンポジウムを企画しました。一方で事務作業の負担を軽減するため、演題登録は電子メールで行うことにしました。また大会の事前参加登録と事前振込を取りやめて、当日会場での手続きに一本化します。ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
大会1日目に開催する懇親会も含めて、楽しく有意義な学会となるよう鋭意準備をしてきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
大会長 岡山理科大学
片岡 健
岡山理科大学
理学部 臨床生命科学科
細胞生物学研究室
TEL & FAX; 086-256-9417
e-mail; jtca90@gmail.com