ご挨拶

　このたび日本組織培養学会第91回大会を、名古屋駅近傍のグローバルゲート 名古屋コンベンションホール（名古屋市中村区）において平成30年6月15日(金)・16日(土)の２日間の日程で開催する運びとなりまし た。
　本学会は1956年に発足し、学会名のごとく組織から細胞を分離して培養する初代培養の細胞培養技術を用いた医学・生物学研究におけるさきがけとして、伝統の上に培われた基盤を有しております。本学会はこれまでに細胞培養の技術的課題の解決や研究に用いる細胞供給を担う細胞バンクとの連携に努め、また、先端医療である細胞治療・ 再生医療にまつわる倫理問題に関する検討や提言を積極的に行っております。

　一方、iPS細胞の作製に成功して以降、さまざまな基礎研究が展開され、その基礎研究成果によって、培養手法も二次元培養から三次元培養、立体構造の形成による組織機能の再生と再生医療の臨床応用にむけた段階に入りつつあります。本学会では臨床応用の実現にあたり、必須的な細胞培養士の育成にもいち早く取り組んでおり、すでに多くの細胞培養士を送り出しています。このように本学会は会員相互の情報交換だけではなく、社会貢献も果たしている学術団体です。

　第91回大会では「基礎と臨床のcollaboration －細胞がつなぐ研究の架け橋－」をテーマとし、細胞培養の基盤技術から再生医療、創薬および動物実験代替法などの幅広い分野において活発なディスカッションが行われる大会にしたいと考えております。 この機会を細胞培養に関する最新学術情報の収集や人的交流にお役立ていただければ 幸甚に存じ上げます。

　楽しく有意義な学会となるよう、鋭意準備をして参ります。多くの皆様のご発表、ご参加を心よりお待ちしております。何卒宜しくお願い申し上げます。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本組織培養学会 第91回大会長　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　藤田保健衛生大学
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　研究支援推進センター 再生医療支援推進施設
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山本 直樹