本文へスキップ

大会長 挨拶CONCEPT

ご挨拶

  このたび、日本組織培養学会第93回大会を広島大学霞キャンパス内こうじんかいかん (広島市南区霞1-2-3) において2020年7月2日(木)、7月3日(金)の2日間の日程で開催する運びとなりました。

 本学会は1956年に発足し、本邦における医学・生物学研究に対する細胞培養技術の積極的導入を推進してきたパイオニアとして長い伝統と強固な基盤を有しております。これまで細胞培養における技術的諸問題の解決やエンドユーザーに対する標準細胞株の供給を担う細胞バンクの連携強化に努め、先端医療である細胞治療・再生医療に係わる倫理問題ついての検討を行うなど、社会に対する提言を積極的に行ってまいりました。その中で、改めて細胞培養技術の標準化に対する重要性を認識し、本学会会員の細胞培養技術向上に役立てるよう毎年定期的に細胞培養講習会を開催するなど、たゆまぬ努力を続けております。

 近年の目覚ましい科学技術の発展により、多くの疾患の原因が究明され、新規治療法も続々と開発されております。細胞培養技術はがん研究領域では多岐にわたる治療法の開発研究に大きな役割を果たしており、いくつかのがん種で認められる近年の急激な治療成績の向上は、長年にわたる多くの研究者の努力が花開いた結果とも言えます。また、再生医療分野でも細胞培養技術は重要な研究基盤技術の一つであり、今後医療現場で予測される多くの新規治療法への道筋を、土台として支えていくことになります。新たに開発された技術と細胞培養技術が融合し、これまで不可能だと思われていたことが次々と可能となっていく、そのような未来が予測されます。今大会に参加される皆様に、医学の発展を支える細胞培養技術の現在を感じて頂きたいと考え、第93回大会では「技術が切り拓く多彩な未来 ~医療現場への道筋~」をテーマと致しました。

 一方、近年の生命科学研究の進展の影で、剽窃、盗用、改ざんといった研究不正が世界的に問題になっており、研究倫理の遵守がますます重要になってきております。そこで、本大会では、特別講演演者として日本学術振興会学術システム研究センターの黒木登志夫先生をお招きして、細胞培養研究の流れ、そして今に生きる研究者たちが身に着けておくべき研究倫理についてお話しいただくことになりました。シンポジストとしては、現在本邦において細胞培養技術に関連する様々な分野での第一線でご活躍中のご高名な先生方をお招きして、『培養細胞が切り拓くがん治療研究』『iPS細胞を用いたがん免疫療法』『革新的イノベーションがもたらす新研究領域』『iPS細胞を用いた再生医療への道筋』という4つのテーマを掲げさせていただいております。大会概要に予定されているシンポジストの先生方のお名前を記載してございます。細胞培養技術を基盤として展開されてきた多彩な分野での最先端研究の現在と、今後未来に向かって大きな展開が予測される革新的技術について、若手研究者が夢を抱くきっかけとなるような大会を目指しております。

 また、本大会では企業ブース展示やランチョンセミナーへの学会参加者以外の本学教職員や学生の入場を企画し、ご支援くださる企業の方々にも多くの交流を提供できるように準備しております。
 
 本大会が、参加される皆様の交流を通して、分野の垣根を超えた未来の研究へのそれぞれの道筋を明るく照らすことができますよう、心より願っております。


日本組織培養学会 第93回 大会長

藤井 万紀子


                                             

バナースペース

日本組織培養学会 第93回大会
大会事務局

〒734-8553 広島市南区霞1-2-3

広島大学大学院 医系科学研究科
国際歯科医学・分子腫瘍学内

Tel /Fax 082-257-1503

E-mail:
jcta93th[at]hiroshima-u.ac.jp
※[at]は @ に置き換えて下さい。


日本組織培養学会

 日本組織培養学会ホームページ