東京オリンピック・パラリンピック2020が終わってしまいましたが、大阪では大阪・関西万博が「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとして2025年に開催される予定です。この万博では日本が誇る医療分野における新たな技術等が世界に発信されることが期待されており、当学会の研究者においても非常に興味深いものになると思います。そのような環境の中、2022 年 7 月 7 日 (木)、7 月 8 日 (金) に第94回大会を大阪の地で開催できることを光栄に思います。
第94回大会のテーマは「-創薬を支える細胞の未来- 細胞によるイノベーション」です。
本大会では、細胞培養の基盤技術から再生医療、創薬および動物実験代替法などの幅広い分野において活発なディスカッションが行われる大会にしたいと考え、企画を考えております。シンポジウムとして「創薬研究に必要な機能性細胞の開発応用」「バイオバンク試料の活用による創薬展開」をテーマに最新知見を紹介して頂きます。特別講演には毒性学、動物実験代替法などの分野でご活躍の小島肇先生をお招きし、御講演を賜る予定です。さらに特別企画として、創薬研究の最前線において最新の研究開発を進めている医薬基盤研究所の先生に御登壇頂き医薬品を創る研究に関する最新知見をご紹介頂きます。また、新たな取り組みとして学会における企業協賛の重要性を再認識するため、企業ブース展示のみならず学術発表とは別に企業における開発研究者の発表の機会を設け、企業と研究者の橋渡しの場としたいと考えております。是非、ご支援くださる企業の方々との交流の場としてご活用頂ければ幸いです。
一方、現在の新型コロナウイルスによるパンデミックで、我々の生活は大きく変化しました。出張はweb会議に代わり、事務作業は自宅でテレワークとなり、良くも悪くも日常の変化が急激に進みました。同様に学会の年次大会もその殆どがオンライン開催に代わりオンサイトでの議論とは異なる意思疎通の難しさに、苦労することも多いように思います。また、年次大会の開催を支えて頂いている協賛企業の方々にとっても、宣伝の機会を十分に確保することが出来ず、新たな方法で宣伝を行わざるを得ない状況となっています。今大会では新たな時代に適した大会の運営方法を模索しながら、是非とも大阪の地で闊達な議論を深めて頂くべく準備を進めております。
最後に、日本組織培養学会第93回大会(広島)においてはコロナ禍の状況においても活発な学術的発表ならびに討議が行われ大変な盛会に終わりました。第94回大会の開催時期において新型コロナウイルス感染がどのような状況になっているかはまだ分かりませんが、可能ならば皆さまを大阪にお迎えし活発なご発表とご議論を頂きたいと願っております。ご参加をお待ち致しております。
日本組織培養学会 第94回 大会長
小 原 有 弘
〒567-0085
大阪府茨木市彩都あさぎ7-6-8
国立研究開発法人
医薬基盤・健康・栄養研究所
培養資源研究室